―第二章 反転結界陣―

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「君達遅いよ。寄り道なんてしてきて。時間がないのは知ってるだろう?」 「シグマさん!」 「やぁ、フェイア。三日ぶりだね」 いつもの笑顔を浮かべながら、シグマが早速文句を言ってきた。 「君達は事の重大さをもっとちゃんと把握してもらわないと」 「こんなに遅くなる予定じゃなかったんだ。ちょっとトラブルがね」 ファーがシグマに簡単に説明する。 シグマは隣で説教されている二人を眺め、首を左右に振った。 「王女様はやんちゃで困る。脱走はいつものことなんですが、事件に巻き込まれていたとは。 助けていたなら仕方ありませんね」 「僕からも礼を言う、有難う」 説教を終えた王子が僕らに頭を下げた。 「妹が迷惑をかけて申し訳ない。だが、助けてくれて感謝している。本当に有難う。 ほら、二人も」 王子はルシアの頭を押して下げさせる。 ルシアはその手を振り払う。 「わかったから! いちいち押さえないでよ、お兄様!」 「全く……困った妹だ」 「フーンだっ」 しっかりした兄に比べて、妹は少し……いや、だいぶおてんばなようだ。 兄がしっかりしているから、おてんばになるのか。 どちらにしろ、一番大変なのは周りの人なのだろう。
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