―第二章 反転結界陣―

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「さて、全員揃ったわけですし立ち話もいいですが、やらなくてはならないことをパッパとやっちゃいましょうか」 シグマがパンパンと手を叩く。 「やらなきゃいけないこと?」 ルシアが首を傾げる。 「戻ってきてから色々準備してたアレのこと? 何をするのかしら?」 「王女様にはあとでご説明致します。今は時間が惜しいので。 さ、フェイア、ファー、ベル行きますよ。タリさんは上でお待ちかねです」 「え、え、フェイアも行くの? ていうかシグマと知り合いなの?」 「ルシア様……空気読みましょうよ……」 「ルシア、君はまず父上のところに行くんだ」 「え、え、なんなの? ちょっと説明しなさいよー!!」 ルシアは王子に抱えられ、城の中へと連れていかれる。 バタバタと暴れているが、王子は放さなかった。 その後ろをカフカが付いていき、一度振り返って僕達に一礼した。 「私達はこっちですよ」 シグマは城の入り口の横にある塔に入っていく。 僕達も急いで追いかけた。 螺旋状の階段を上がりきったところに扉があり、鍵の術式がかけられていた。 それをシグマが解除し、そこから城へと繋がる渡り廊下を進む。 また扉があり、鍵を解除する。 今度はさっきのよりも高度で複雑な魔法が施されていた。 シグマや解除方法を知る人以外は解くことができないような、複雑な魔法。 それが解かれ、扉が開くと大きな部屋へと出た。
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