―第二章 反転結界陣―

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ドーム型の部屋で、天井は全てガラス張り。 陽の光が直接当たっているのに部屋の中が暑くないのは、ガラスに魔法がかけられているからだろう。 強化と熱を遮断する魔法……かな。 部屋の中央には白く魔方陣が輝いている。 その中央の魔方陣から更に五つの小さな魔方陣が伸び、五色の光を放っていた。 中央の魔方陣の中心に機械のようなものが置かれ、それはガラスの天井を突き抜け、天へと伸びている。 その先から魔力が放たれ、複雑に絡み合い、結界を作り出していた。 「これが結界陣……複雑な魔法が複数組み合わされて出来てる……すごいな、初めて見たよ」 ファーが感嘆の声をあげる。 「こんな魔方陣を考え出した人は天才だ……本当にすごい」 「ほらほら、ボーッとしてないでこっちに来てくださいよ」 シグマが僕達を呼ぶ。 彼の隣には目を覚ましたタリが、猿ぐつわされ、ロープでぐるぐる巻きにされたまま、ビッタンビッタンと陸に上がった魚のように跳ねていた。 「ベルとフェイアはタリさんをよろしくお願いします。 ファーはこっちとあっちにこの魔方陣を描いてきて下さい」 ファーはシグマから小さな紙を受け取り、指示された場所へ移動する。 僕らもタリへ駆け寄り、まず猿ぐつわを外した。
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