―第二章 反転結界陣―

8/21
前へ
/60ページ
次へ
「何笑ってんのよ!」 「ごめ……つい、ね。 ――信用してくれてありがとう。僕頑張るよ、もっと信用してもらえるようにさ」 僕が笑顔で言うと、ベルは赤い顔のまま呆けた顔になる。 「ベル?」 「な、何言ってんの!? もっととか、そんなのフェイアじゃ一生無理よ、バーカ!」 「えぇ!?」 ベルは走ってタリのところへ行く。 一人残された僕も、急いで二人のあとを追った。 「タリさんはあちらの陣の上に。君はこっちに。いいですね」 シグマはてきぱきと指示をだす。 タリとベルはファーが描いた陣の上に移動した。 「でも私じゃあまり力には……」 「大丈夫ですよ、精霊とあまり語れなくても声は伝わりますから」 そう言ってシグマはもう一つの陣の上に乗った。 「ファーとフェイアは私達の魔力の流れを安定させてもらえますか?」 「どうやるんですか?」 「入学試験の時のように、中央の装置に集中してくれていたらわかりますよ、多分」 「多分って!」 「さぁ、始めますよ!」 シグマは目を閉じると、聞いたことのない言葉で呪文を唱え始めた。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

151人が本棚に入れています
本棚に追加