―第二章 反転結界陣―

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魔力が動いている感じがする。 それを、集める。 目を開けると、光の玉は二倍ほど大きくなっていた。 光の粒の動きはさっきより整然としている。 言葉にうまく表現できないけれど、魔力の流れを整えるやり方がなんとなくわかった気がした。 「うん、いい感じだよフェイア。飲み込みが早いね」 ファーはにっこりと微笑む。 こうやって教わるのは旅立ちの頃以来じゃないだろうか。 なんだか懐かしくなったが、今は過去に思いを馳せている場合じゃない。 魔力の動きがだんだんと激しくなる。 光の玉は更にでかくなり、今は大人一人が立っていても簡単にはいれるくらいのサイズになっている。 バチバチと火花を散らし、少しとげとげしい形だ。 「そろそろ、いいですかね」 シグマがそう言うと、光の玉は饅頭のような形になり、一気に跳ね上がった。
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