―第二章 反転結界陣―

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跳ね上がった光の玉は機械を通り、外へと飛び出しても更に上空へ昇る。 目視できないほど高く昇ったと思った瞬間、空がカッと輝いた。 そして虹色の膜のようなものが僕達の真上を中心にしてユラユラと広がっていく。 「成功、ですかね」 シグマは魔法陣から出て、ガラス越しに空を見つめる。 膜はまだ広がり続けているようだ。 「間も無く結界はこの大陸の空を覆い尽くすでしょう。そうしたらしばらくは大丈夫でしょうね」 「しばらくってどれくらい?」 ファーが尋ねる。 「もって3年ですかねぇ。短いと1年半、いや、1年くらいになるかもしれません」 「それさ、差が大きすぎない?」 「仕方ないでしょう。相手……空を覆い尽くそうとしていたあの力がどれほどのものなのか、わからないのですから」 シグマは肩を竦め、わざとらしい溜息をつく。 「すぐには破れないから安心はしていいですよ、とりあえず、は。 次は王都の結界張り直しますよー」 そう言って、シグマは一人魔法陣の上に立つ。
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