―第二章 反転結界陣―

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「大丈夫……?」 僕が手を差し伸べると、タリはその手を払った。 むくりと起き上がり、服についた埃を落として立ち上がる。 「君が悪い奴じゃないのは知っている。おそらくあの魔術師達もそうなのだろうが、生憎俺は魔術師っていう奴自体が嫌いなんだ。 それがどんな人間であろうが、な」 魔術師が嫌い。 僕は少し前の僕を思い出した。 魔術師というだけで嫌悪していた自分を。 「わかるよ、それ。僕もそうだったから。タリと僕じゃ、嫌いの理由はもちろん、その重さも違うだろうけど、それでも……いつか普通に接してくれたら、嬉しいな」 あぁ、あの時のファーも今の僕と同じような気持ちだったんだろうか。 寂しくて、悲しくて、でもどうしようもできなくて。 ただ相手が歩み寄るのを待つしかできなくて。 「……ファーに悪いことしてたんだな」 「?」 「今のは独り言だから。ほら、行こう。ベルも待ってる」 僕は精一杯のタリに笑いかける。 タリは複雑な表情を浮かべながら、ベルのもとへと早足で歩いていった。
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