神とお祭り

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清音 「そんなぁ。」 なつめ 「大丈夫だって清音。 清音らしい正直でひたむきな気持ちをぶつけたら?」 清音 「あ、あの…貴志くん?」 貴志 「何だよ?」 清音 「毎日、私たちのために町を守ってくれてありがとう。 私はずっと感謝してる。 だから、せめて私たちが神様を支えたい。 だからお祭りを作った。 人間が神様への感謝の気持ちを忘れないように。」 貴志 「…知っている。 神の国にも祭りの空気は届くからな。」 清音 「…楽しい?」 貴志 「…考えたこともなかったな。 ずっと仕事で精一杯だからな。 だけど、前より気分が楽だよ…お前の真剣さが伝わってくるからな。」 清音 「…ありがとう。 やってて良かった。 何かリクエストがあったら縁の社に来てね。 私、なるべく足を運ぶから。 私、また貴志くんとなつめちゃんに会いたい。」 貴志 「神の私物化か? …想像を絶する女だな。」 清音 「私物化するほど二人を独占しないよ。 お祭りをもっと良いものにしたいだけ。」 貴志 「…神の意見を聞くのか。 良いだろう。」 なつめ 「んじゃ、そこで誓いの…。」 貴志 「それはまだ早い。」 清音 「ダメだよ、それは出来ないよ…なつめちゃん。 こういうことは二人だけの時…でね。」 なつめ 「…残念。」 美保 「清音らしくて良いじゃない。 …あ、校長先生?」 校長 「今日はハロウィンですからね…皆さんにキャンディーをあげましょう。」 なつめ 「包み紙可愛い♪ あの、これって林檎仏洋菓子ふぁくとりぃのキャンディーだよね?」 校長 「さすが常連ね。 たくさん買って来ましたから…みんなで食べましょう。」 なつめ 「じゃあ、あたしは全種!」 清音 「…早いね、あいかわらず。」
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