見つけられないいろんなもの

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俺は藍月皐(アイツキコウ)! ここ、ソリア騎士訓練校の四年生で、歳は18。 夢は…、まぁ、訓練校入ってはいるけど特になりたいものがあるわけじゃない。 強くなりたかった。それだけ。 そう、それだけ。 ちなみに今の俺は全力疾走で廊下を駆けている。 『こらぁー!藍月ー!面談室にこんかー!』 後ろから教頭が追ってくる。 今日の午前中は暇で仕方ない卒業式だった。 ぶっちゃけ俺が卒業出来たのは奇跡だ。在学中壊した備品は数知れず、売られた喧嘩を買い、相手を病院送りにした回数も数知れず。 何とか卒業単位は習得できたから卒業が認められた状態だ。 そして卒業式後、卒業生は担任から配属部隊を言い渡される。 治安維持部隊・衛星部隊・警察部隊etc. 細かく部隊が分かれているためか似たような仕事の部隊がある。 俺はどこに配属されんだろな。 不意に視界に人影が見えたと思ったところで、足払いをくらって後ろに倒れた。 『さぁ、皐。面談室に行くぞ』 『うわー、センセーまで追ってきたわけ?』 『最後の仕事だからな!最後の最後にまた手ぇかけさせやがって』 担任の威村センセーがニカッと笑った。がっしりした体型の、今時珍しい熱血教師。このセンセーには逆らえない。四年間で学んだことの1つだ。 センセーは俺を引っ張り起こすと『いくぞ』と背を押した。 これは腹を決めるしかない。 センセーとは面談室に着くまでの間たわいのない話をした。 前に喧嘩したこと、朝会に遅刻して慌てて体育館に行ったら入り口にいた教頭にぶつかり、教頭の頭からカツラがぶっとんだこと。(センセーは1人大爆笑して他の先生に怒られてた) 面談室に着くと、カンカンに怒った教頭がいた。 センセーは教頭の隣に腰を下ろした。 俺は机を挟んで、センセーの向かいに座った。 『てことで!面談始めるぞ!』 つっても配属部隊言うだけなんだけどな!とまたセンセーはニカッと笑った。 センセーはきっと気づいてる。俺が逃げたのは配属先を告げられるのが怖かったからだって。
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