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「もちろんタダで」なんて言うコイツに。
眠いふりして目をこすりながら゙うぜえ゙って言った。
いつもの事だ。
お前は「なんだよ~」って拗ねた真似をした。
俺は、またシカトしてた。
ちょうどその時、ケータイが鳴った。
お前はケータイを開く。
しばらく操作したあと、用事が出来たって言った。
帰り際、突然言い出した。
「オレはさ、陽介ならマジで叶えられると思ってんだ。
ミュージシャンになるって夢。
だって、陽介の夢なんだろ?
陽介が描いた夢は、絶対叶う。
オレ、昔からそう思ってんだ」
そう言うと、少し照れくさそうに鼻の頭を掻いて、暗くなる前に帰れよ、つって帰ってった。
俺は、アイツがいなくなった河原で、少しだけ。
声を殺して泣いた。
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