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え? 病院にいて他に悩みはないのかって?
「うん、全くないね~」
俺は自分に自問自答しながらクスリと笑った。
視線は、さっきからずっとあの少女に釘付けだ。特に短めのプリーツースカートと紺色のハイソックスの間にある、あの太股がたまらない。
ちょいポチャな彼女の、お世辞にも細いとは言えない太股。
だが、白くて酷く柔らかそうだ。
そう……お菓子に例えたら
あの太股はマシュマロ。
「触ってツンツンしてみてぇ~」
俺はそんな事を今日も呟きながらため息を吐く。
これが恋なのかどうかは、ある程度の女性経験を積んだ成人男性ならすぐに解る。
トクン
君を見る度、実感のない胸の鼓動が跳ねるんだ。
これは儚いけど本物の痛み。
蝉がうるさく鳴いた夏。
退屈だった俺の瞳に、君はすんなりと飛び込んできた。
車椅子を押して、この病院の中庭を散歩する君……
細い糸みたいに揺れる黒髪とスカートから覗く、あの柔らかそうなマシュマロが
今日も自分を虜にさせるんだ。
真っ白なマシュマロ。
俺は君に
恋してる。
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