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あの日、崇さんと俺と杏…… 3人で楽しく散歩した石畳を 今は2人で歩く。 俺は病棟の2階、左から7番目の窓を見上げた。 幻影なのか 杏に恋して、一度で良いから触れたいと願う青年が恨めしそうにこちらを眺めている。 あれは……何もかもを諦めていた過去の自分。 今の俺は堂々と歩いていて、彼女を力一杯抱き締める腕と胸を持っている。 「ん?」 その時、俺は、ある事に気付いて足を止めた。 「なあ、杏」 少し後を歩いていた彼女に振り返る。 杏は不思議そうな顔をして「何?」と聞くと立ち止まった。 俺は膝丈まである白いワンピースの裾に指を差す。 「あのさ、ちょっと裾を捲って太股を見せてよ」 「はっ?」 彼女はあんぐりと口を開けた。 「突然、何を言うの? こんな場所でそんな事できる訳ないじゃない!」 「頼むよ!! 快気祝いのプレゼントだと思ってさ、お願いだから~」 あらかさまに不機嫌そうな杏を拝み倒す俺。 そう、すっかり忘れてたが、俺はまだ一番重要な願いを叶えていない。 それは 「もう~、快気祝いって……そんな事言われたら断れないじゃない」 彼女は恥ずかしそうにスカートを捲り上げる。 おおおおっ!!これだ、これ!! 俺はしゃがんで人差し指を杏の太股に伸ばす。 つんつん 真っ白で弾力性のある肌は、指で押すとすぐに跳ね返った。 想像した通りの感触だ!! ぷにぷにとして柔らかい。 「もう、いいでしょっ!!」スカートを降ろす彼女。 他の場所はどうなんだろ? 俺は立ち上がると、杏の半袖から伸びた二の腕をつんつんしてみる。 次は手のひら 「ちょっと、くすぐったいってばっ」 彼女はクスクスと笑い出した。 本当に、どこもかしこも柔らけぇ。 全部を確かめたくなった俺は、ぐいっと杏の手を引くと力強く抱き締めた。 ああ…… シャンプーの甘い香りがする。
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