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「あ……、ごめ……」
いつのまにかあたしの目からは大粒の涙が溢れていた。
淡い色のスカートに、次々とシミを作っていく。
「莉子、もしかし……」
「ごめん、あたし帰るね」
晴美の言葉を遮るように放った言葉は
失恋したあたしの遠吠えのようだった。
潤先輩の馬鹿。晴美の馬鹿。
なんで成功するのよ
なんで晴美なのよ
なんであたしじゃないのよ……
蝉の鳴き声が響くだけの帰り道。
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