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あの日は、そう……
去年の夏休みだったかなあ。
愛でもなく、碧でもない友達、
「濱中晴美」という女の子との話。
当初はギクシャクだったけど
今では遊んだり一緒に勉強したり仲直りした。
―――… 夏 。
あたしは陸上部に入っていて、晴美も陸上部だった。
「潤先輩」っていう男の先輩がいた。
茶色がかったさらさらな髪、切れ長の目、筋が通った高い鼻。
陸上部のアイドルだった潤先輩。
潤先輩は優しくて、面白くて、頭もいいし陸上では好成績。
まさになんでもできるカッコイイ先輩だった。
そんな潤先輩にあたしは惹かれていった。
でもそこまで仲が良かったわけじゃなかったから、いい機会になればと携帯電話のアドレスを貰おうとおもった。
それを晴美に全部相談したら
「潤先輩が好きなんだ! 応援するよ♪ アドレスならもってるからあげようか?」
と、好機が巡った。
「じゃあ貰ってもいい?」
今思えばこの言葉が間違いだった。
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