一章 風峰 鈴

10/10
前へ
/145ページ
次へ
とある屋敷の一室。 そこには一人の「男」がいた。 暗い室内は彼独自の雰囲気から作り出されているようで、いまは彼一人しかこの部屋にいない。 憂いにも似た笑みを浮かべながら目を細め夜空を見上げた。 ふぅ、と息を吐くと彼は呟いた。 「……やっと来たか……」 男はそう言うと笑みを深めた。 「もうすぐだ。もうすぐでこの手に……」 男は手を握りつぶすようにして見せた。 ふと彼が後ろを向き、 「……千夏」 と言うと、すぐに女の子が来た。 「は!!」 「分かっているな?」 そう男は言いまた夜空を見上げた
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

346人が本棚に入れています
本棚に追加