―二章―新選組

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「でさ、土方さん。……そいつらが目撃者?」 そう言って鈴達をいちべつしたのは、幹部のなかで一番若そうな人物だった。 ……………。 もの凄い柄の悪い雰囲気がそこにはあった。 「ちっちゃいし細っこいなぁ………。まだガキじゃん、こいつら」 3人の中で一番若そうな男が上目遣いで言った。 男にいうのも可笑しいが、これは可愛いといって間違いはないだろう。 「君に言われたくないよ」 眉を寄せ、上から目線で吐き捨てる。 ガキとか言われても何も感情が湧かないが、男というのはこの言葉を言われると怒るだろうと思い、演技をしてみた。 幸い、相手は何も疑わずに会話を進めている。 「お前がガキとか言うなよ、平助」 「だな。世間様から見りゃ、おまえもこいつらも似たようなもんだろうよ」 赤い髪の男と短髪の男は、平助と呼ばれた男の髪をもてあそびながら言った。
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