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「うるさいなぁ、おじさん二人は黙ってなよ」
自分が子供扱いされて、嫌だったのか悪態を吐く彼。頬を膨らませたその姿が、より彼を幼く見させる。
そのせいなのか、二人はますます悪乗りをしていく。
「ふざけんなよ、このお坊っちゃまが!俺らにそんな口きいて良いと思ってんのか?」
短髪の男が豪快に笑いながら言う。それに合わせる様にして、赤い髪の男も口を開いた。
「平助におじさん呼ばわりされるほど、年食ってねぇよ。……新八はともかく、この俺はな」
自分を指差して、これ見よとばかりにいう。
そんな赤い髪の男の言葉を聞いて、短髪の男が声を上げるのは直ぐだった。
「てめぇ……。裏切るのか、佐之」
「へへーん。新っつぁん、図星されて怒るって大人げねぇよなぁ」
彼等は口喧嘩をしながらも、その視線は鈴達に向けられたまま動かない。
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