記憶

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目に焼きつく2人の姿、蛍光灯の明かりに照らし出される切迫した空気、僕は布団の中でその空気に耐えることしかできなかった。 そんなものを見せられてすぐに眠りにつけというのは難しすぎる。 涙もなく泣いていると・・・ なんと布団に入っていた2人がまた始めだしたのだ。 僕は物凄く呆れた。悲しくなった。何かが信じられなくなった。それが何かはわからない。 ただ、布団の中で耳を塞ぎ泣いていても止めない親の中の「何か」ということはわかっていた。
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