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旅に出たのには
別段、理由はなかった気がする。
家出とかではない。
自分から勝手に、
外の世界へ向かって行っただけ。
なかには、反抗して
部落を出たとかいうおバカな野郎も……
あぁ、落ち着きのないあの男だ。
俺の仲間で、格闘家のハヤテ。
外見は、現代風に言うなら……
緑色の髪。橙色のバンダナを
頭に巻いている。
白いタンクトップに
ベージュ色のカーゴパンツを
はいている。丈は膝が見える位に短いな。
活発な印象の青年だ。
いつぞや、彼に聞いた。
なんで反抗して部落を出たのか、と……
「んぁ?んな事おめーに関係ねぇだろ?」
「まぁ良いじゃないか。」
「その飄々とした態度……
いっつも気に食わないなァ。」
「人の全てが嫌いだから反抗したのか?」
「………そうじゃない。
俺のは、譲れねぇ信念みてーなのが
あったからだよ。」
「ふんふん。」
「反抗ってのは、
自分が考えている考えとおかしいから
噛みつく……そうだろ?旅人さんよ。」
「あぁ、そうだな。それは共感出来る。」
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