約束

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   遠くに立つ虹を雨が蹴散らしていく  二つの傘は結ばれ唇は交わされる  何も言わなかったけれど  風景に刻み込まれた約束  必ず帰ってくると言った  抱きしめると雨と涙が肩を濡らした  ゆっくりと走り去る列車  届かない視線と僅かに残る砂鉄の匂い  あの日は今もまだ  あの日のまま眠っている    .
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