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気配を感じたのか、高城くんがこっちを向く。
目が、合った。
でも高城くんはすぐ逸らす。
昨日よりも短い。
わたしは少し寂しくなった。
高城くんにわたしを知ってもらいたい。
そう思ってわたしは高城くんに近付いた。
「高城くんっ」
わたしが呼ぶと高城くんはゆっくりとイヤホンをとり、顔を上げる。
高城くんの真っ黒な瞳にわたしが映っている。
なんだか高城くんの世界にはいれた気がして嬉しかった。
「…なに」
高城くんの声が響く。
低くてよく通る、男の人の声。高城くんの、声。
「あ…えっと、なに聞いてるの?」
わたしは咄嗟に音楽プレーヤーを指差して聞いた。
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