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「…別に」
高城くんは、またイヤホンをつけて音楽を聞きだした。
わたしは寂しくて寂しくて、高城くんのイヤホンをとった。
そしてそれを自分につける。
「ちょ…なにして…」
高城くんが困っているのもお構いなしにわたしは音楽を聞く。
「…高城くんて、ロック聞くんだ。意外」
「…別に」
「わたしも、この曲好き」
「ふーん。てか、返して」
高城くんがイヤホンをとろうとするので、わたしは避けて
「半分ね」
と言ってイヤホンの片一方を高城くんに渡した。
「…俺のなんだけど」
「だって両方してたらわたしの声、聞こえないでしょ」
「喋りかけないでよ」
「それは無理。ねぇ、なんで屋上いるの?立入禁止なのに」
「それはあんたもだろ。俺は、ここ人が来ないから、いいなって思ったからだけど」
「へー。まぁ、確かに人はあんま来ないよねー」
「でも、おまえいたし」
「わたしは前から屋上使ってるもん。屋上好きだから」
「変わってんな。ここ、なんもねーのに。どこがいいわけ?」
「んー…空が近いから」
「意味わかんねー」
「綺麗でしょ」
「よく、わかんねー…」
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