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高城くんは、わたしからイヤホンをとって立ち上がった。
「…ここ、おまえの場所だったのに、ごめんな。もう来ねーからさ」
「えっ?別にわたしの場所って訳じゃないし…」
高城くんが、もう来ないなんてやだよ、そんなの。
「いや…おまえのがずっと前からここ使ってたんだろ?だから、俺がどく」
「なんで?一緒に使っちゃだめなの?」
「…俺はさ、一人でいたくてここに来てたんだ。だから…」
「よく…わかんない。なんで一人でいたいの?寂しくない?」
「別に…。とにかく俺はここには来ないから」
やだよ。そんなの絶対やだよ。
「他の場所にも…人はいるよ。誰もいない場所なんて、ないんだよ?誰か来るたびに逃げてたらキリないじゃん」
「ほっとけ…」
「高城くんはどうして、人を避けるの?」
「嫌いだから」
高城くんはそう言うと屋上を出て行ってしまった。
脈ないなーわたし。
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