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高城くんは結局次の日もその次の日も来なくて、わたしはいつまでも屋上で一人ぼっち。
寂しくて、わたしにはやっぱり一人は無理だよ。
ここにいたって、高城くんは来ることはなくて、
仲の良い友達だって、こんな寒空の下には来てくれなくて、
また一人ぼっちだよ。
昔に戻ったみたいで吐き気がする。
もう一人ぼっちは嫌なのに…
わたしが声を殺して泣いてると、屋上の扉が開いた。
「…高城…くん」
扉の向こうにはいつも通り綺麗な瞳をした高城くんが立っていた。
「おまえ、こんな寒い日まで来てんのかよ。風邪ひくぜ?」
「…いいの」
少し震えた声がでた。
わたしは高城くんが来てくれただけで、もう暖かいよ。
「なに、泣いてんだよ…。これやるから、泣くなよ」
高城くんはそう言うと自分がしていたマフラーをわたしに貸してくれた。
「あ、ありがとう…」
「別に…」
いつもの高城くん。
やっぱり優しいね。
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