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叔父の和道(カズミチ)さんはちょっとした変人で両親の葬式で初めて会った。
一応大学の教授らしいけど
「いーくんは準備できたかい?」
僕の事を『いーくん』と言い
「花ちゃんはいつ見ても可愛いねぇ」
花鈴を『花ちゃん』と言ってへらへら笑っている。
頼りないし、いきなり可笑しな事を言い出したりするけど感謝はしてる。
他の人達に比べたら叔父さんは温かい。たらい回しにされていた僕と妹に
「これからは、私と一緒に暮らそう。君達が私の事を嫌いになっても私は君達を嫌いならないからね。」
と、言いながら優しく頭を撫でてくれた。
その手の温かさは今でも忘れられない。
「伊月です。叔父さん、大学行かなくていいんですか?」
中々大学に行こうとしない叔父に僕は時計を指差して言った。
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