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俺の数少ない友達であり親友の牧田秀が言うには、俺の性格はかなりネジ曲がっているらしい。
そんなことは昔から自覚している。
確か小学四年生辺りからだろうか、人と馴れ合ったりするのが面倒になってきたんだ。
元々大人からも少し変わった子供と見られていたのだが、成長するにつれて変わった大人びた子供と見られるようになった。
そんな俺と秀は小さい頃から一緒で高校までずっと同じクラス。
漫画や小説でしかこんなことは無いと思っていた俺も少しビックリした。
こいつは、俺と違い性格は真っ直ぐな奴
。でもバカと言うバカ正直者である。
俺の性格がこんな風だからか、秀は真っ直ぐ育ったんだろう。
しかし、俺はそんな秀を大事な親友だと思っている。
面と向かって言う気は無いが……。
「秀、今から大声で叫んだらどうなるだろうな」
「はぁ?いきなりどうしたんだよ」
心の中でだが、少し気恥ずかしくなってしまった。
「いや、何でもない。何でもないからこそ何かあったりする」
「え?どっちなんだ?俺はそれを深読みすれば良いのか?」
「いやくたばれば良いと思う」
「いきなりそんな事言うか普通!?」
体育館の壇上から男の物と分かる咳払いが聞こえた。
そんな俺たちは只今入学式の真っ最中。
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