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叫び声とともに、表れたのは、背の低い、銀の髪に、妖艶な紫色の瞳をした、ツインテールの美少女だった。
真っ直ぐなストレートな髪を二つに高い位置で結った髪がサラサ ラと風に舞う。ただ、髪だけを見ればとても儚げな印象を得るが、しかし、短いパッツン切りをした前髪から覗かせる、瞳は、キリッとした猫目をしていた。
そして少女は、西条撫那が飛び降りた窓からではなく、普通に渡り廊下、つまり、外から表れて、ローファーをカツカツと鳴らしながら大股でこちらに向かってきた。そして、表情はその動作からもわかる様にかなり、怒っている。
「あら・・・永恋(えれん)。どうしたの?」
少女が怒っているにもかかわらず、ゆったりとした動作で声を掛ける撫那。それが、さらに永恋という少女の怒りを上げ、
「どうしたのッって!!何言ってんですかッ!!!今日はあれ程、今期初の役員会議があるっていったでしょッ?!なのに先輩ったら、またフラフラ消えちゃって!」
と、また怒鳴る。
「あら?ごめんなさい。てっきり明日だと思ってましたわ。・・・だけど、少しお待ちになって、この方達を校則違反で取り締まりしないと・・・」
永恋と会話をしながらチラッと裕志達を見つめた。
そして、その動作に、永恋も裕志達を視界に入れる。まるで、初めてそこにいたことに気づいたような反応をしながら、
「なんだ・・・。何かと思えば、ただの不良じゃないですか。」
と、蔑みを込めた目で、裕志達を見つめる。その態度に、ムカついた倉が「 ッあッ?」と、立ち上がろうとしたが、しかし、司に阻まれて、立ち上がることは叶わなかった。
「どうせ後でいくらでも粛清できるんですから今はほっときましょ!!どうせ、そういう風に、偉そうにしてられるのも今の内なんですから」
「あ"ぁ"ッ?!」
「倉ッ!」
今度こそ司を無理矢理引っぺがし、永恋の胸倉を掴んだ倉。ただでさえ高身長の倉が、全体的に小さいサイズをした永恋を掴むことで、永恋は爪先立ちになってしまっていた。
「てめぇさっきから、黙ってりゃあ調子のってんじゃねぇぞッ?!」
倉の鋭い目つきが、永恋を威嚇する。しかし永恋は、怯まなかった。それどころか、更に苛立ちを募らせた様な表情をし
「だから、野良犬って嫌い」
と、いった。しかも、その顔はまるで、生ゴミを見てしまったような顔をしている。
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