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「なんで邪魔したんだよ、ユウシ。」
撫那達が去っていた後、倉は不服そうに裕志を見てきた。司は
、なんとなく一難が去った様な顔をしていたが、倉は違った。その顔は明らかに拗ねている。
そんな倉を見て、裕志は、これが本来の、普通の反応なのだろうと思った。
明らかに、普通の外見をした彼女達に恐怖を感じた自分はおかしいのかもしれない。
だけど、そう思いながらも、自分は間違ってなかったと、はっきりそう思える。
(アイツラハヤバイ)
そう、ずっと心の警戒音が鳴り響いている。
だから、あいつ等に関わってはいけない。
何故だかはわからないが、そう裕志の本能が告げていた。
だから、
裕志は倉に、あいつ等に関わるのはよそう・・・、そう言おうとしたが
その瞬間、裕志は、先程まではなんともなっていなかった、倉の身体の異変に気づいてしまった。
「倉・・・」
「あ?」
「・・・・その腕・・・・」
先程まではなんともなっていなかった、倉の腕が、
永恋に触れていた手のひらの部分から、上までが
赤黒く、まるで何かに締め付けられたかの様に変色してしまっていたことに。
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