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そして、永恋を掴み上げていた倉の腕は、先程よりも、黒く、まるで血でも止まってしまい、そこだけが腐り落ちてしまいそうな程にに変色してしまっていた。
「だけど偶然にしては・・・」
裕志は倉の、カッターシャツの袖をジイっと見つめる。
倉は普段は袖を肘したぐらいに捲っているのだが、流石に変色した腕が気になるのだろう。今はしっかりと手首まで伸ばしボタンまで止めていた。
「しつこいっての!マジであの女だと思ってんのか?確かにあいつ等なんかイかれてたけどなぁー?現実的に考えてありえねぇだろ!それともなんだ?ユウシはあいつ等がウイルスかなんかでも持ち歩いてたっていいたいのかよ?」
「じゃあそれはどう説明すんだよ」
裕志が倉の腕を指差した。
そんな裕志に、倉はどうともいえない様な顔をした後
「ほら、一昨日喧嘩しただろ?それだよ、それ」
と、結論付ける様にして言った。
確かに、一昨日他校の生徒と喧嘩はした。
だが
「お前が一方的に相手をボコってたんだろ」
確かに、倉は先日喧嘩はした。
しかし、それはあくまでも一対一の喧嘩で、しかも、倉は喧嘩が強い。だから、倉が腕をその様に負傷したとはどうしても考えられなかった。
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