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「・・・。その様子じゃあまだ会ってないみたいだな。じゃあ上級生の何人かが大怪我おって不登校になったって話はもう聴いたか?」
「不登校?」
ハテナマークを浮かべる裕志。
そんな裕志を見兼ねた倉が、仕方ないとばからりに溜息を吐いて
「呆れた奴だな。この噂、もうとっくに全校生徒に知れ渡ってる噂だぞ。」
と言い出した。
裕志は、なんだ、結局喧嘩腰になりながらも、会話の主導権を握っていたかったのか、と少し笑そうになってしまった。
しかし、冗談でも笑ってしまえば、倉の拳が飛んでくるので、笑えない。
そんな、裕志の葛藤も知らず(司は何となく察していながらも)、倉が、再び【不登校】についての噂を語り出す。
「いいか、・・・・なにも不登校になったのは、根暗な奴とか、イジメにあってた奴とかな、わけじゃない。寧ろその真逆で、俺らみたいな不良連中が、ボコられて不登校になってんだよ」
「はぁ?ただ単に誰かに喧嘩売って怪我負って入院してるだけじゃねぇの?」
「俺だってそこまで詳しくはしらねぇよ。ただな・・・もし、この噂を信じるんなら・・・・、今期の生徒会・・・、特に【西条撫那-サイジョウナデシナ】って女には絶対に近づかない方がいい。不良連中をボコった奴はどうやら・・・その女らしいぜ。」
「はぁ?・・・女?・・・いや、幾らなんでもソレはありえねぇだろ。だいの男が不登校になるぐらいなんだろ?だったら、その女ゴリラみたいな体型してねぇと、普通に無理だろ・・・」
真顔でその発言をした裕志に司がブハッ!と盛大に吐き出し笑う。そして、
「いやいや、あり得ねぇって!ただでさえウチの学校、女子レベル高いのにさぁ、そんなんいたら・・・・登校初日から有名人だろ!」
などと女子にとってはかなり失礼な言を言い出した。
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