1:曖昧な事ばかりが人生じゃない

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まぁ、確かに来栖学園の顔の整い具合は、男女共に高い。 そこらへんに歩いている奴に指をさして「あいつモデルなんだぜ」と言えば、他校の人間ならば信じてしまうぐらいのレベルだ。 ちなみに、此処にいる三人の顔の整い具合だって、悪くはない。裕志と司は中の上ぐらいだが、倉は少なくとも上の中には入るだろう。 「あら、随分と酷いいい様ですわね」 「「ッ?!」」」ビクッ 裕志達が、西条撫那の容姿についての想像で盛り上がっていた所、突然、何故か、透き通った女の声が、自分たちの真後から聞こえた。 此処は旧校舎の裏側だ。滅多に誰も通ることはないのに。 慌てて振り向けば、校舎の部屋の窓から顔を覗かせている美女がいた。 そう、美女としか言いようのない美人。 綺麗な、けして染めてはいないであろう綺麗な茶髪をした美人だった。 真っ直ぐな髪と言うよりは、毛先だけが内巻きになった、上品な髪型に、赤色に白色のラインが少し入った、スカーフの様なリボンのついたカチューシャを嵌めている。 そんなお嬢様の風体をした彼女は、優しげな瞳でこちら側をニコリと見つめていた。
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