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深い深い底の見えない
どんな輝きも消える湖
果てしなく広く
そして覗いても深い闇
その湖にまつわる...
古い古い物語...
今、始まる
嗚呼...
それはまだ湖が陽の光で
輝き綺麗な瑠璃色だった頃の話
その湖は近くに住む
村の人々にとっては宝物で古きからその湖の水は
村にいた美しい魔女が
人々の病を治す水に変えて
村人を救う湖にしておった。
その魔女は代々美しく
銀色の綺麗な長い髪
瞳は深い深い緋色で
見るものを魅力する
黒いローブにフードを被り
どの代の魔女も
湖を管理しその効力を与え続けていた。
村人達はそれを有り難く頂いていた……
ある時
村の現世の魔女が
同じ村の男に恋をした
その男は顔立ちは良く
村の長の息子であり
心優しく強くたくましかった
そして二人はいつしか
仲良くなり恋人となっていた
そして彼女はとても幸せだった。
ある話を聞くまでは...
魔女は村長の息子の家に
家の花壇に咲くはなをつみ
渡しに行く途中。
あの湖で村長とその息子を
見かけた。
しかし、二人の顔はとても険しい顔なもので……
近くの木に隠れて話を聞いていた。
「早くあの女を殺してこの湖を手に入れるんだ」
「はい。もちろんわかってますとも父上。
この湖を手にし金儲けをし
ましょう」
「そうだ。あの馬鹿女をこの海に沈めてやれ!
そうすれば永久に湖の効力が得られるらしい」
「はい。それなら早速
使いを連れて……」
二人の話を聞き
魔女は涙を流し走り逃げた
「そんな...嘘だわ...
酷い...」
しかし、辺りを村長の召し使いが囲んでいた
魔女は抵抗せず
湖まで大人しく連れていかれた彼を信じてたから。
そこには彼がいた……
魔女は村長の息子に泣きながら言った。
「私を殺すなんて嘘よね?」
しかし彼は
「馬鹿じゃないのか
ハハハハハッお前なんて
金稼ぎの為に近づいただけさ」
そして彼は
細く鋭い剣で彼女を刺した
「なぜ…なぜなの…よ
許さない…ユル…サ…ナイ
「うるせぇ馬鹿女
さよなら悲しい魔女さん」
そう言い湖に彼女を
放り込んだのだった
しかしその時
湖から無数の黒い手が現れ
彼らを全て引き裂き湖から
溢れ出た真っ黒い水が村を全て飲みこみ。
そこにあった村が沈んだという。
そして...
その湖からは魔女の
泣き叫ぶ声と怨嗟の声
苦しみ続ける村人の声がすると言われておる。
......
「ずッ…ト…ずーっと…ユルサ…ナイカ…ラ…」
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