暗森の城の黒き歌姫

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暗雲の広がる街の外    暗闇で向こうの見えない森 気味悪い鳥の鳴き声     荒々しい風に揺れる木々 生き物であったであろう 屍が転がる死臭漂う道 そこを抜ければ     怪しい古びた城 そこから聞こえるは     今までの光景が 嘘のように美しく    透き通った綺麗な歌声 声の主を探し城に近づく 城の下に行き     見上げると... ベランダから顔を覗かせ 月の光のように柔らかく優しく 微笑む 綺麗な綺麗なお姫様 真っ黒いドレス    真っ黒いヒール 綺麗な金色の髪  有無を言わせない艶やかな唇   男を魅了するような紅い瞳 言葉を失う美しさ    その姫に言われるまま 城に入る若い男は     その歌声と美貌の虜 嗚呼... その女の恐ろしさも知らず 男は城の広場で黒姫の歌を聞く やがて何処からか聞こえる    狂ったようなバイオリン 哀しく切ないピアノ 男は音に合わせて踊る    狂ったように踊る 我を忘れて踊る   死ぬまで踊る 『嗚呼... またお人形さんが増えたわ』 と女は言う。 『フフッ……アハッ…… アハハッ アハハハハハハ ハ』 今日も森に歌声が聞こえる
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