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新品のデスクに座り、
自分の仕事をこなしていた時
机の上の携帯がバイブで震えた。
母さんだった。
仕事中には電話しないでくれ、
と 昨日言ったばかりなのに。
無視もしたが延々と電話が来るので、
何事かと恐る恐る電話に出た。
「もしもし?母さん…?」
「出るの遅いよ!?なにやってたの!!??」
「ごめん、仕事中だったから…それで、何?」
「落ち着いて聞いてね、あんたが今ここで取り乱しちゃいけないから。
美穂が事故に会ったの。
だから、早く◯◯病院に来て。
今手術中だから…」
俺は母さんの言葉を最後まで聞かずに電話を切った。
そして社長の元に小走りで行き、
「身内が事故に会ったので仕事を抜ける」事だけを伝えて走りながら会社を出た。
外の大道路でタクシーを拾い、
病院まで連れてってもらう。
心臓の音がいつもより大きく聞こえる。
運動不足なのにさっき走ったからか、妹の事が心配だったのか、
もう分からなかった。
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