引きこもりのヲタクのお話

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10/28 07:30 今日は柄にも無く早起きだった。 カーテンの間から刺す光が痛く感じる。 外からは雀の声が聞こえる。 それだけの事が、何だか久し振りだった。 眠い目を擦りながら時計を見る。 「…今何時…」 時計の針は07:30を指していた。 普段なら寝てる時間帯だから 二度寝を始めようともう一度布団に潜る。 だが、目が完全に覚めてしまって 寝るに寝れなかった。 「久し振りに朝飯でもくうか…」 そう独り言を呟いて、 部屋を出て階段を降りてった。 今日は何だか凄い静かだった。 冷蔵庫を漁り、 適当に目玉焼きを作って、 置いてあった食パンにバターを塗って焼いて皿に乗せる。 出来上がった朝食をテーブルの上に置いて、 リモコンを手にとる。 テレビの方に手を延ばし、感覚で電源ボタンを押す。 『ーーーー』 電源は付いたが、何だか騒がしい。 何かの記者会見か? 俺はパン片手にテレビへ視線を移した。 「ーーー」 パンが床へ落ちる。 「は?は?は?」 二度見、三度見を繰り返す。 なんぞこれ。なんぞこれ。 テレビの画面には、 「巨大隕石が地球に向かって落ちて来ている。」 そう表示されてて、 美人の女子アナが切羽詰まった表情で状況を伝えていた。 「なにこれー…」 チャンネルを変える。 全部ニュースで、全部同じ事を言っていた。 見てても仕方がない、とテレビを消す。 暫くの静寂。 やっとこれが現実に起きている、本当なんだ、と実感した。
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