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綺麗な男は好きだ。
若い男からエネルギーを得るのも、時代を動かす大名には大切なこと。
「謙信様…なんと美しいのでしょう…」
「あぁ…私達には勿体ないお方…」
可愛らしい少年達が私の肩に頭を預けてくる。
しかし不満だ、いつもなら3人…今晩は2人しか居ない。
まぁそれはそれで一人一人により濃厚な愛を与えられる。
「さぁ、始めようか」
布団に誘うと、その場に似つかわしくない勢いで戸が開いた。
「遅れて申し訳ございません。お声掛けを頂いておきながらこの失態…どうかお許しください」
開けたのはどうやら今晩の相手の少年。
不機嫌窮まりない私はこの場で帰すことも可能だったが、表情を窺う上目遣いに胸を打たれ許すことにした。
「まぁよい、上がれ」
「ありがとうございます…」
いつも通り三人を布団に招くと誰が隣に寝るのかと口論になる。
これもいつものことだ。
「心配せずとも全員可愛がってやる」
「ならば私を最初に…!」
「いえ僕が先に…!」
まったく可愛らしい奴らだ、と思っていると、後から来た少年(…といっても歳は17、8だから充分大人)がおもむろに口を開いた。
「あの、御無礼を承知で申し上げます…。私は謙信様を抱きとうございます」
「ほう、私を抱くとな?面白い、いいだろう」
「実は私、売春を商売としておりまして、こういうことには自信があるのでございます」
私はまだ若い頃に年上の男に抱かれた程度で年下に抱かれるのは初めてだった。
少年を招き入れるのも全てが抱くこと前提であったのだが、今この男によって私の経験がまたひとつ増えることになる。
しかもその道の専門家だと言う。
たまには身を任せてみるのも一興、と試してみることにした。
「私達は…?」
「大丈夫だ、ちゃんと可愛がってやるから」
「私…謙信様のが欲しゅうございます…//」
「なっ、ずるいですよ!」
今夜は面白い夜になりそうだ…。
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