8582人が本棚に入れています
本棚に追加
/760ページ
タキシード姿の吹石は、七恵のウェディングドレス姿に固まっていた。
前妻との式のときは白無垢だったし、なんだか他人事のようであまり記憶がない。
だが、今目の前にいる純白のドレスに身を包んだ七恵を見て、胸が一杯になった。
自分を好きになってくれて、これからの人生をともに歩んでくれるこの女性の、なんと美しいことか。
二人が黙って見つめ合っていると、係の女性が親族を呼びに来た。
二人を残し、ドアが閉められる。
「義人さん。」
吹石の名を呼ぶ七恵の左手の薬指には、二人で選んだプラチナの結婚指輪が光っていた。
吹石の指にも同様の輝きがあった。
最初のコメントを投稿しよう!