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理屈ではなく、直感が確信してしまう。
こうして微かな望みの糸も断ち切られ、現実を突き付けられた四季は、思わず溜め息を溢していた。
しかしこれは、ある意味では良い切っ掛けだったのかもしれない。
あの事象を現実と確信した事で、四季は覚悟を決める事が出来たのだから。
そして四季は呼吸を整えると、自分が経験した事を女将に語り出すのだった。
*
「成る程ぉ……。そんな事があったんですかぁ……」
四季の話を一通り聞き終えた女将は、お茶をすすりながらそう答える。
その声はいつもと同じくどこか抜けたようなそれであったが、四季の言葉を話し半分で聞いているような雰囲気は感じ取れない。
それに気付いたからこそ、四季は女将に問い掛けずにいられなかった。
「あの……信じてくださるんですか……」
少し緊迫したようすで吐き出された四季の言葉を尻目に、女将は目を閉じながら湯飲みを置くと、一呼吸。
そして僅かな間を置いてから、目を閉じたまま静かに口を開いた。
「信じますよぉ」
「えっ……?」
想像通りではあったが、少し信じがたい答えを返されてしまい、四季は暫し言葉を失う。
女将は目を開き、そんな四季を見据えると笑顔を浮かべながら続けた。
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