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投げ込まれた色は茶色……土。
四季はこの時になって察したが、視界の主は今正に、浅い穴の中に埋められようとしているのだろう。
まだ息があるにも関わらず、回復する可能性を潰し、生きたまま冷たい土の中に埋められようとしているのだ。
その非人道的な行動に、四季の背筋は再び凍り付く。
穴の中からは土を投げ込んでいる人物の姿は見えないが、四季にとってはむしろそれで良かったのかもしれない。
そのような人物の冷徹な顔を見たら、四季は卒倒してしまうかもしれないからだ。
直感的によるものだが……この映像はいわゆるフィクションのようなそれではない。
端的に言えば、リアルな殺人。
そんなものを見せられれば、誰でも冷静ではいられないだろう。
と、四季の目の前に流れていた映像は、そこで唐突に終わる。
それと同時に周囲を覆う闇は白い光と混ざり合い、徐々に元の旅館の一室をかたちどっていった。
やがて完全に、景色は元通りのそれに戻る。
室内を照らす電灯。
使い古された畳。
そして……薄紅色の着物を纏った座敷童子。
四季は室内に視線を這わせた後、徐々に目を隣の座敷童子に向ける。
冷や汗を浮かべる四季の視線の先では、座敷童子は皮肉な程に柔らかな笑みを浮かべていた。
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