~誓い~

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 月明かりに透かしながら言葉を続ける。 「お父さんとお母さんがね、『これはいつかお前が一番信頼できる人ができた時に渡せ』って五歳の頃に一つずつくれたの」 「へぇ………」 「そうなんだ」  ソルシュとエニアも、同じ様に月明かりに透かす。 「これ、三人でお揃いだね!」  二人の方を向き、エニアが笑いかける。 それに合わせて、リシェルは微笑みながら口を開く。 「それでね、これは持ち主の事を守ってくれて、お互いに何処にいても居場所が判るんだって」 「……いいの?僕やエニア何かが貰っちゃって……」  ソルシュがそう言うと、リシェルが静かに首を縦に振る。 「うん。私は二人の事、信頼してるの。………ねぇ、ソルシュ、エニア。ずっと一緒にいようね」  そう言うと、リシェルは可愛らしく小さく笑った。
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