お兄ちゃん

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「ゲホッゲホッ……なかなかだな」 汚物が苦しそうに顔を歪ませ、こちらを見てる。 正直、気持ち悪い以上の言葉が見つかりません。 なおもヨロヨロとしながらも立ち上がる汚物。 「まだ生きていましたか」 「可愛い妹の攻撃なんか快感でしかねぇ!」 ……!? 「そんな獣は滅びてしまえ!」 「グハッ!」 身体が即座に反応し、私はいつの間にかラリアットしていた。 更に倒れたウジ虫のあちこちを思いっ切り踏む。 「い、痛い!けどしましまパンツが……」 「!?」 踏み潰すのに夢中になっていたのが致命的でした。 私の服装は学校の制服。 当然スカートです。 そんな格好で倒れている汚物を踏むという事はぱ、ぱぱ……パンツを見られてる……。 「い、いやぁぁああああああああああ!!」 「ちょ、待っ……!?」 ゲシゲシゲシゲシ! 私は全力で兄の頭を踏みまくった。 もう……最低! 「きょ、今日から名前をゴキブリに改名よ!」 我ながらナイスなあだ名。 惚れ惚れします。 ゴキブリ並みの生命力を誇るウジ虫にはぴったりです。
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