別れ

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「本当の恋がしたい…。」 そう呟いたのは私、菊池 美心。 「あんた毎日それ言うてるなぁ。」 関西弁でツッコミをいれてきたのは、親友の指宿 尚(いぶすき なお)。 中一の時、大阪から青山中学校(通称、青学)に転校してきた。 「だって…。」 ブーと口を尖らせて言った。 「今カレ、居るじゃん。」 呆れた顔をした、尚。 「…愛されてないの、私。」 「いつもの事でしょう。」 そう言って、次の授業の準備を始める尚。 「心配はしてくれないのか…。」 また呟いた、私。  「もぉやだ…。」 泣きそうな声でそう言い、腕に顔をうずめた。 「美心。辛いんはあんただけちゃう。」 え? パッと顔を上げる私。 「あだっ!!」 そのとたん、デコピンされた。 「ウチだって…辛いねんから。」 「およよ?それは、恋ですかい?」 茶化すようにそう聞いた私。 「…う…違うよ!勉強の事!」 「ふーん…。」
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