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「ねぇ、尚。来週の日曜日、尚の誕生日でしょ?」
今は、放課後。
尚と一緒に、家に帰る途中。
「誕生日やけど?」
不思議そうに首を傾げる尚。
「誕生日パーティーしよ!!」
「え?」
「友達いーっぱい呼んで、私の家で誕生日パーティー!!」
下を見ている尚。
嬉しくないのかな?
「誕生日プレゼント期待しててよ!!」
「……なぃ…」
「え?」
「行けなぃ…。」
悲しそうに下を見たままの尚。
「何で?」
「……。」
「え…尚!?どこ行くの!?」
尚は、質問に答えず、どこかへ走っていった。
そして、尚は次の日、学校を休んだ。
最初は、どこか悪いのか、と心配し、電話もメールもしたけど、『おかけになった電話番号は…』と、機会の声が耳に響くだけ。
尚の携帯は、解約されていた。
家の電話も、繋がらなかった。
さすがに一週間も連絡がとれないと、クラスの皆が心配し、私が代表で尚の家に行く事になった。
「嘘…。」
私は唖然とした。
尚の家の表札には、
『空き家』
と書かれた札が掛かっていた。
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