第一章~開かれた魔路~

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聖神の第二地域-----ヘルシニアン。 チャイムが鳴り、今まで騒がしかった廊下も学生たちが教室に戻ったため、静まり返る。 時間的にいえば、三時間目である。 学士たちも教室に入り、学授が始まる。 その静まり返った廊下にはパタパタと走る足音だけが響いていた。 「待ちなさい!」 「追いかけてくんな!ほっといてくれよっ。」 淡い茶色の髪を風になびかせながら走る少年。 その後をショートカットの髪を振り乱しながら追いかける女の人。 教室では何事もないように学授を続けている。 -----それもそのはずだ。この聖学は冷暖房はもちろんだが防音室にもなっているからだ。 ・・・。 「危ない!どいてどいてー!」 えっ? ・・・・・・・どんっ! 「いてててて」 お尻をさすりながら起きあがる少年。 その少年がぶつかった相手は学斎から出てきた私だった。 倒れたままの私。 私に続いて学斎から出てきた青年が私を抱き上げる。 そのまま青年は無言できびすを返す。 その後ろを少年と女の人が小走りでついてきた。
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