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聖神の第二地域-----ヘルシニアン。
チャイムが鳴り、今まで騒がしかった廊下も学生たちが教室に戻ったため、静まり返る。
時間的にいえば、三時間目である。
学士たちも教室に入り、学授が始まる。
その静まり返った廊下にはパタパタと走る足音だけが響いていた。
「待ちなさい!」
「追いかけてくんな!ほっといてくれよっ。」
淡い茶色の髪を風になびかせながら走る少年。
その後をショートカットの髪を振り乱しながら追いかける女の人。
教室では何事もないように学授を続けている。
-----それもそのはずだ。この聖学は冷暖房はもちろんだが防音室にもなっているからだ。
・・・。
「危ない!どいてどいてー!」
えっ?
・・・・・・・どんっ!
「いてててて」
お尻をさすりながら起きあがる少年。
その少年がぶつかった相手は学斎から出てきた私だった。
倒れたままの私。
私に続いて学斎から出てきた青年が私を抱き上げる。
そのまま青年は無言できびすを返す。
その後ろを少年と女の人が小走りでついてきた。
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