ふたりの時間‐愛斗SIDE‐

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―――本当は、こんなはずじゃなかった。 「ほらぁ!寝ないのっ!手を動かすっ」 「……数字見てると眠くなるんだよね」 俺の目の前にあるのは、数学の問題集。 "数学"俺の大っ嫌いな教科。 こんなの、足し算引き算さえ出来れば世の中生きて行けるんだよ! 心の中でそう叫びながら、ウトウトしてる俺の頭に隣に座る先輩が一発お見舞いした。 それはもう、パコーンっていい音で。 「あーっ!俺の貴重な脳細胞がっ」 きっと壊滅した。 喚いてる俺の横でクスクス笑う先輩の顔がチラッと見える。 …最近の俺の放課後は大抵こんな感じ。 .
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