ふたりの時間‐愛斗SIDE‐

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――あの日。 ある一大決心をした俺は、部活が終わって帰ろうとしている先輩を人気のない校舎裏まで連れ出した。 放課後の静かな空間にふたりきり。 「なに?どうしたの?」 「………あのっ」 目の前でニコニコしながら、俺の言葉を待つ先輩の姿に緊張してなかなか言いたいことが言い出せない。 「お、俺ッ……!」 "俺と、付き合ってくれませんか?" …本当ならそう言うはずだった。 だけど。 緊張し過ぎた俺の口から出た言葉は。 「俺に数学教えてください!」 ………何でだよ。 .
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