ふたりの時間‐愛斗SIDE‐

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あれから約半年。 俺なりに、アピールしてきたつもりだったけど先輩は全く気付く気配なし。 「わざわざ家まで送ったりとか車道側歩いたりとか、愛斗ってば紳士だよね」 「いや、それは男として当たり前ですよ」 第一、俺が勉強会を頼んだから帰りが遅くなってるんだし。 暗い夜道を先輩だけでなんて帰せない。 ……単に、俺が少しでも長く先輩といたいだけってのもあるけど。 「絶対に愛斗モテるでしょ?」 「いや…全然。むしろ好きな子にさえ振り向いて貰えないんですよ」 ってか、気付いてすら貰えない。 周りの奴らはほとんど気付いてるってのに。 「その子、相当鈍いね」 ……本当にどんだけ鈍いんだよ。 「じゃあ、気をつけて帰ってね!」 話してるうちに、いつの間にか先輩の家の前まで辿り着いていて。 バイバイと手を振りながら家の中に入っていく先輩の後ろ姿を見つめながら、 「………ハァ。鈍すぎ」 小さく息を吐いた。 .
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