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――2ヶ月前の放課後。
「先輩、ちょっといいですか?」
部活が終わって、さて帰るか!
って時にいきなり愛斗から呼び止められた。
「うん、いいよ?」
「じゃあ…着いて来てください」
この時の愛斗は、いつもおちゃらけたキャラなのにどこか雰囲気が違っていて。
不思議に思いながら着いて行くと、辿り着いたのは放課後で人気のない校舎裏。
わざわざ、こんな場所で何だろう。
「……………」
「……?どうしたの?」
なかなか喋り出さない愛斗に
声をかけると。
愛斗はゴクリ、と唾を飲み込んで覚悟を決めた表情で口を開いた。
「あのっ、俺……!
……俺に数学教えてくださいッ!」
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