407人が本棚に入れています
本棚に追加
「姫……」
少年はしばらく黙って考えた。
その様子は少女を困惑させた。
「アル、この願い叶えられる?」
少女は不安そうな声で尋ねた。
駄目だ!こんな不安そうな声は、駄目だ!こんな不安そうな表情は。僕はこんなものは望んでいない。
そして少年は決心した。
僕は
「姫、僕は姫を守る盾になるよ。姫が危険な時颯爽と現れる騎士に僕はなる。それがホワイト家直属の騎士、ランス家の子だからね」
姫に誓う、言い聞かせる僕の想いを。約束を。
「嬉しい、とても嬉しいわ」
「でも、気絶させるくらいなら許してよ。」
「むぅ、まぁそのぐらいなら許しましょう」
「それでね、姫。僕も願いごと1つだけしていい?」
「…どんなの?」
「いつもね笑っていて。いつも楽しそうにね、嬉しそうにしていて。…僕はそれだけでいいから」
「フフフ、アルは本当に……!」
「あれぇ?姫!?なんで泣いてるの?」
「アルぅ、べ、別に泣いてないわよぅ。」
「いや、でも」
少女は目をこすってわざとらしく欠伸して誤魔化す。
そして、1つ深呼吸して
「アル、私は、『イリス・ホワイト』はその願いを叶える。約束する!」
少女はそう言って目を赤くしながら笑ってみせた。
最初のコメントを投稿しよう!