1 約束

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「姫……」 少年はしばらく黙って考えた。 その様子は少女を困惑させた。 「アル、この願い叶えられる?」 少女は不安そうな声で尋ねた。 駄目だ!こんな不安そうな声は、駄目だ!こんな不安そうな表情は。僕はこんなものは望んでいない。 そして少年は決心した。 僕は 「姫、僕は姫を守る盾になるよ。姫が危険な時颯爽と現れる騎士に僕はなる。それがホワイト家直属の騎士、ランス家の子だからね」 姫に誓う、言い聞かせる僕の想いを。約束を。 「嬉しい、とても嬉しいわ」 「でも、気絶させるくらいなら許してよ。」 「むぅ、まぁそのぐらいなら許しましょう」 「それでね、姫。僕も願いごと1つだけしていい?」 「…どんなの?」 「いつもね笑っていて。いつも楽しそうにね、嬉しそうにしていて。…僕はそれだけでいいから」 「フフフ、アルは本当に……!」 「あれぇ?姫!?なんで泣いてるの?」 「アルぅ、べ、別に泣いてないわよぅ。」 「いや、でも」 少女は目をこすってわざとらしく欠伸して誤魔化す。 そして、1つ深呼吸して 「アル、私は、『イリス・ホワイト』はその願いを叶える。約束する!」 少女はそう言って目を赤くしながら笑ってみせた。
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