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互いの願いごと(約束)を1つずつ叶え終えた後、さっきの願いごとでの静けさは無かったかのように2人は城内を元気よく、慌ただしく駆け回った。使用人達は無邪気な2人を見てこちらまで頬がゆるんだ。
楽しい時は過ぎるのが速く感じて、彼らは1時間も経ってないかのように感じていたが既に日は落ち、夕飯の時間になろうとしていた。
「姫様、そろそろご夕食の時間になります」
少女の執事がそう告げる。
「あれ、もうそんな時間?」
「左様で御座います。姫様。」
「…じゃあ…アル。そろそろお別れね」
少女は口惜しそうに少年に告げる。
「うん、今日も楽しかったよ。また明日ね」
少年は屈託のない笑顔で少女に告げる
「そうね、また明日ね」
少女も少年に笑顔を向けて見送る。
少年が遠くまで歩いていった時、少女はハッとして
「あっ!!アル~! 約束忘れないでよ~」
「うん!!分かってるよ~」
少女は少年に念を押した。あの願いが無かったことにならないように。
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